感染対策のために

医療関連感染の現状とは

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、米国の医療関連感染(HAI)罹患者数は年間170万例を超え、それによる死亡者数は約99,000人、医療コストは年間45億~75億ドルと推定されています。
医療関連感染によって、ICU滞在日数は8日増加し、平均入院日数は7.4~9.4日増加していることが報告されています。

血圧計カフの感染対策

感染対策のためには、一人の患者さんへ専用のディスポーザブルカフの使用、または患者さんに使用したリユーザブルカフを他の患者さんへ使用する前に、都度洗浄化することが推奨されています。

  • リユーザブルカフは洗浄化しやすい素材とシンプルなワンピース構造により、清潔なカフ管理を可能にします。
  • ディスポーザブルカフは一人の患者さん専用で使用することにより、感染対策の向上を可能にします。

カフの汚染に関する海外参考文献(抜粋)

病原微生物の潜在的媒介物としての血圧測定用カフ: 大学病院におけるプロスペクティブスタディ

Blood Pressure Cuff as a Potential Vector of Pathogenic Microorganisms: A Prospective Study in a Teaching Hospital
C. de Gialluly, V. Morange, et al., Infection Control and Hospital Epidemiology, September 2006, vol. 27, no. 9, 940-943

203個のカフ中、25cm2あたり100以上のコロニー形成ユニット(cfu)に達する汚染レベルが、カフの内側で92個(45%)、外側で46個(23%)に確認された。最も汚染率が高かったのは、集中治療室(ICU)のカフの内側24個中20個(83%)及び、ナーシングカートに設置していたカフ内側35個中27個(77%)の汚染であった。個人用血圧計を使用していた患者4例で、カフと患者からの検出菌株の遺伝子の一致が確認された。

リユーザブルカフ及び再使用したディスポーザブルカフにおける著明な細菌コロニーの形成

Significant Bacterial Colonization on the Surface of NonDisposable Sphygmomanometer Cuffs and Re-Used Disposable Cuffs Andrew L. Stemicht, M.D. and Alan Van Poznek, M.D., Department of Anesthesiology, New York Hospital-Comet Medical Center, New York, NY 10021

新生児の院内感染の長期的評価:感染と血圧測定用カフとの関連性

Longitudinal Evaluation of Neonatal Nosocomial Infections:
Association of Infection with a Blood Pressure Cuff
 Martin G. Myers, M.D., Pediatrics (January 1978) 61 (No. 1):42-45

リユーザブル血圧測定用カフにおける有機物や無機物の高頻度な細菌コロニー形成と著明な汚染

Nondisposable Sphygmomanometer Cuffs Harbor Frequent Bacterial Colonization and Significant Contamination by Organic and Inorganic Matter
Victoria Base-Smith, JAANA, 1996 April 64 (2):141-145

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A)医療現場における消毒・滅菌のためのCDCガイドライン 2008

3.滅菌、高水準消毒および低水準消毒の適応

a.各患者の使用前にクリティカル医療器具(通常無菌の組織または血管内に挿入する器機あるい は無菌の体液が流れる器機、手術器具など)を滅菌する。例外のために勧告7gを参照のこと。カテゴリーlA。
b.粘膜または健常でない皮膚に触れるセミクリティカル患者ケア用器具(たとえば消化器内視鏡、期間チューブ、 麻酔呼吸回路、呼吸療法器具)は高水準消毒を行う。カテゴリーlA。
c.正常な皮膚と接するノンクリティカル患者ケア表面(ベッド柵、オーバーベッドテーブルなど)や健常な皮膚に 触れる器具(たとえば、血圧計カフに)には低水準消毒を行う(勧告5gを参照)カテゴリーⅡ


4.ノンクリティカル患者ケア用器具のための低水準消毒の選択と使用

a.表1に載せた消毒剤と殺菌剤の濃度を使って、ノンクリティカル患者ケア用器具を処理する。カテゴリーlB.
b.ノンクリティカル医療器具(例えば、血圧計カフ)を添付文書の安全策と使用法を使ってEPA認可の病院消毒剤で消毒する。ほとんどのEPA認可の病院消毒剤には10分の接触時間が書かれている。しかし、複数の科学的な研究が少なくとも1分の接触時間で病原体に対する病院消毒剤の効果を示した。法律で、EPA認可の製品に描かれたすべて該当する支持に従わなければならない。もし使用者がEPA認可の製品にかかれたものと異なる曝露条件を選んだら、使用者は記載から外れた使用法からの全ての損傷の結果に責任があるとされ、もしかするとFIFRA(殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法)による執行を受けるかもしれない。カテゴリー IB
c.最小限、ノンクリティカル患者ケア用器具は目で見て汚れていた場合、及び定期的(患者ごとの使用後あるいは一日もしくは一週間に一回のように)に消毒されることを保証する。カテゴリー II.
d. もし専用のディスポーザブルな器具が利用できなければ、接触予防策下にある患者で使用した後のノンクリティ カル患者ケア器材は、他の患者に使用する前に消毒する。カテゴリー IB.

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B) 隔離予防策のためのCDCガイドライン2007

V.B. 接触予防策

V.B.1. 接触性伝播のリスクが高い、既知かあるいは疑われている感染症もしくは、症状のある患者のため、付録Aで勧告されているように「接触予防策」を使用する。多剤耐性菌(MDROs)の保菌あるいは感染のための「接触予防策」の使用についての特別な勧告については、MDROガイドラインを参照する:

V.B.5. 患者ケア備品と器具 / 装置

V.B.5.a.「標準予防策」に従って、患者ケア備品と器具/ 装置を扱う。カテゴリー IB/IC
V.B.5.b. 急性期治療病院と長期療養と他の在宅施設では、使い捨てのノンクリティカルな患者ケア備品(例えば、血圧計のカフ)を使うか、このような備品は患者専用使用とする。もし複数の患者に使う備品の共用が避けられないのであれば、次の患者に使用する前にこのような備品は清拭・洗浄および消毒をする。カテゴリー IB

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C) 医療施設における多剤耐性菌の管理のためのCDC ガイドライン 2006

VA( 一般的な勧告)

V.A.6.b. MDRO を感染または保菌していることが判明している個々の患者に使用するために、ノンクリティカル医療器具を専用とする。カテゴリー IB

VB(MDRO 伝播を防ぐための感染管理の強化)

V.B.8 環境対策の強化
V.B.8.a 患者専用またはシングルユースの使い捨てノンクリティカル器材(血圧測定用カフ、聴診器など)ならびに機器を使用する。カテゴリーIB

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D) 医療施設における環境感染制御のためのCDC ガイドライン2003

Ⅵ 特別な病原体

B. 抗生物質耐性のグラム陽性球菌(例:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〔MRSA〕、バンコマイシン中等度感受性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌〔VRE〕)の環境汚染制御には、標準的清掃、消毒手順を使用する
4. 多剤耐性菌の二次感染を最小限にするために、患者ケアの際に接触予防策を採る場合、患者ケア用具(例:血圧測定用カフ)には使い捨てのものを用いる。IB

※カテゴリーIB : 履行することが強く勧告され、信頼できる実験的研究、臨床研究、あるいは疫学的研究と強力な理論的根拠によって強く支持されている

ウェルチ・アレン 血圧計 フレックスポート(TM)

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